公園だより

公園スタッフから、⽇々のできごとやお花の情報などを発信しています。

道保川いきもの通信🌸その9

こんにちは、道保川公園です!
毎日とんでもなく暑い日が続いています。
熱中症にならないように体調にお気をつけください。

キツネノカミソリ

道保川公園では森林生態観察ゾーン、山野草観察ゾーンや林間広場下の林縁が自生地です。
他の野草があまり咲いていない暑い時期に茎を伸ばし、オレンジ色の鮮やかな花を数個咲かせます。園路に近い場所なので近寄って観察できます。

キツネノカミソリはヒガンバナの仲間です。ヒガンバナと同じく、花が咲いているときには葉がありません。早春のまだ他の植物が芽を出さないうちに葉を出して養分を蓄え、多くの植物が生い茂る頃には葉を落としてしまいます。

無駄な競争をしないで生き延びていく知恵なのでしょうね。

カラスウリの実

公園の維持管理をするうえで、つる植物はちょっと厄介な存在です。
生垣や花木の低木に巻き付いたり、ときには覆ってしまうことも。
カラスウリの名前の由来のひとつに、葉が大きく絡みついた木を枯らしてしまう瓜→枯らす瓜、というのがあるそうです。
木が枯れてしまわないよう、取り除くのが一般的な管理方法ですが、生物多様性の観点から支障がない場所では残しておく公園も多いのではないでしょうか。

カラスウリの実は、この時期はまだ緑色で縞模様があります。これから秋に向かって朱色や赤色に熟し、葉や茎が枯れたあともぶらさがって晩秋から初冬の景色を演出するようになります。

カラスウリの花については、いきもの通信その6(2024年9月9日)でご紹介しています。ご参照ください。

今回も、道保川公園ならではの公園だよりをおとどけしました。

環境学習ディスカバリバー「セミのぬけがら標本箱づくり」 開催されました

2025年7月13日 日曜日 「セミのぬけがら標本箱づくり」イベントが開催されました。

初夏の道保川でセミの鳴き声を聞きながら抜け殻探しと標本作り。
さっそく当日の様子を見ていきましょう!

音探し

聞こえてくるセミの鳴き声はどんな音でしょう?
初夏の頃公園内に響く、よく聞こえてくる鳴き声はニイニイゼミ。「ジー、チー」という様な音。
夏の始まりを告げてくれる音。
そして、 ミンミンゼミアブラゼミ。
※ニイニイというのは「聞きなし」と呼ばれるもので人の言葉に置き換えて聞き取ることです。
日本語の表現ならではでおもしろいですね。☺

散策前に四阿を参加者のみなさんで囲んで
柱にセミのぬけがらを発見!!

広葉樹と針葉樹

抜け殻探しは主に二か所。
広葉樹の林のなかと、四阿はさんで反対側の針葉樹の林のなかを観察をしながら
探しました。
広葉樹の環境を生育に好むセミと、針葉樹の環境を好むセミがいるそうです。
湿ったところが好きで、体に土がついているものもあるそう。

こちらは広葉樹の探索ゾーン。

こちらは針葉樹の探索ゾーン。

ぬけがらは、やや時期が早かったようでもう少し時間が経てば発見できるかもしれないそうです!

抜け殻選び

二か所の探索ゾーン以外の場所からあらかじめスタッフが採取し保管させていただいていた
抜け殻をご用意し、参加者のみなさんに選んでいただきました。

 

【見分け方シート】
見分け方のポイントは
①大きさ
②色、つや
③触覚(節の長さで見分けます)
細かい所は虫眼鏡を使って見分けていきます。

Q:触覚が無い、(壊れて無くなった)は見分けられますか?
A;残念ながら触覚が無いとサイズが似たものはとっっても難しいです
(特にミンミンゼミとアブラゼミ)

標本作り

観察をしながら木の箱にボンドで貼っていきます。
ラベルに書くことは
セミの名前
採取場所
採取日
採取された方の名前

標本はそのセミ(または生きもの)がその場所で生育していた証拠となるものです。

カッコよく出来上がりました。

まとめ

今回は夏休み前に昆虫好きの子どもたちにお会いできました。☺
楽しくお話をしてくれたり、写真を見せてくださったり、
子どもたちは生きものに対する視点やまなざしが新鮮で、いつも新しい発見をくださっています。

初夏でも気温が高く、熱中症の懸念があるため時間の短縮等がありましたが
たくさんの発見と笑顔をありがとうございました!

(おまけ)触れる標本展示中です

事務所前にて触れる標本展示中です。

こちらはクマゼミのぬけがらのようで他のものより一回り大きいです。

園内をご覧の際はぜひお立ち寄りくださいね☺