公園だより

公園スタッフから、⽇々のできごとやお花の情報などを発信しています。

道保川いきもの通信🌱🐛🐦🐍

道保川公園では年4回、生物調査を行っています。
植物と動物の専門家と一緒に参加する公園スタッフも気合が入ります。
日々の管理の成果や課題を確認し、生きもののことを学ぶ絶好の機会だからです。

私たちが道保川公園の管理をはじめて3年目。
この春の調査で分かった道保川公園の生きものの様子はいかに??
専門家のコメントや写真を抜粋してご紹介します!

■植物■ 保全管理の効果あり!やや湿潤な土壌を好む草本が増加。希少植物の増加や初観測も!

細流沿いではノハカタカラクサ等の除草によりサギゴケ、ヤブタビラコ、ツボスミレ等のやや湿潤な土壌を好む草本が昨年度より多く出現していた。
上流の路傍においても除草の成果がみられ、キツネアザミやギシギシ類が増加した。林内ではキンラン(国RL、県RL:NT)の蕾および開花を確認したほか、早春の花であるカタクリの葉も昨年より増加していた。
そのほか、シュンラン、ミツバツチグリ、ヤブレガサ等を初記録している。

■動物■ トンボ類の羽化が盛ん!細流の一部では水枯れが心配だが、アズマヒキガエルも無事孵化。

水生動植物観察ゾーンにおいては、ニホンカワトンボ、ヤマサナエといったトンボ類の羽化が盛んであり、シャクガ科等ガ類の幼虫も活発であった。
細流の一部では流れがなくなっており、河床部分にホンドタヌキの溜め糞と思われるものが見られた。
こもれびの沢ではアズマヒキガエルの幼生が見られた。
そのほか、ニホンヤモリ、ニホンカナヘビ、ヒガシニホントカゲも確認できた。
上段広場、管理事務所付近においてアオダイショウの幼蛇も確認している。
上段広場では、元々石垣島・西表島に生息するはずのヒラタトガリカメムシも確認、関東地方への侵入のきざしかもしれない。
林内ではアオゲラが盛んに鳴いていた。夕方ちかくには、池で鳴きかわす2羽のカワセミを確認している。

いかがでしたか?

生きものを発見できた時の感動は、込みあがるものがあります。
その感動を共有できる仲間がいるのも、とてもうれしい。

未だ見ぬ生きものたちは果たしているのだろうか?

あるいは、気付かないうちにどこかで会っているのかもしれない。

私たちが管理している道保川公園は、無限大の可能性を秘めた素敵な場所だと思うし、
維持管理していることを、誇りに思っています。

Byline: commissioned specialists and K・N・H・M・I

道保川いきもの通信🌸その15

月日が経つのは早いものでもう6月、梅雨入りです。
6月の花でまっさきに思いつくのはアジサイです。
道保川公園にもいろいろな品種のアジサイが植えられていますが、相模原市内でアジサイが有名な公園といえば相模原麻溝公園。開園40周年記念のオリジナルアジサイ”さがみブルー”もきれいに咲いているようです。

さてアジサイは相模原麻溝公園におまかせするとして・・・
今回の道保川いきもの通信は、アジサイ以外のこの時期ならではの花をご紹介します。

ホタルブクロ(蛍袋)

ホタルブクロは、下段公園では四阿のある広場横の主園路の小さな橋のたもとに数株、上段公園では西側の園路とフェンスの間の草地に群生しています。

道保川公園では5月末から6月第一週の9日間を”ホタル観賞会”として夜9時まで開園しています。ホタルブクロはちょうどホタルが飛ぶ頃に花を咲かせます。

キキョウ科の多年草で、大きな釣鐘形の花が特徴です。昔、こどもたちがホタルをこの花の袋に入れて、提灯のようにして遊んだことからの名付けだそうです。

花の色は薄いピンクのものが多いですが、濃紫色のものも見かけます。

ザクロ(柘榴)

ザクロの木は下段公園の三の橋付近の公道側園路沿いに植えられています。

オレンジ色の鮮やかな花をつけ、観賞用に植えられる落葉小高木です。
ザクロは果実のイメージが強いので、こんなにきれいな花なのに結構見落としがちです。道保川公園のザクロは花数もそんなに多くないのでなおさらですが・・・

道保川公園の開園時間は9月まで午前7時から午後6時です。

これから毎日暑い日が続きますが、林の中の木陰は少し涼しく感じられます。熱中症にならないよう十分にお気をつけいただきながら道保川公園でお過ごしください。

道保川いきもの通信🌸その14

こんにちは、冬の寒さがきびしくなってきました。道保川公園です!

今回は冬の公園を彩るツバキ科の常緑広葉樹をご紹介します。

冬に花を咲かせるので寒さに強いイメージがありますが、ツバキ科の植物は熱帯から亜熱帯に自生しており、ヤブツバキやサザンカなどは温帯に適応した珍しい種なのだそうです。日本では四国や九州といった暖かい地域が自生地として北限ですが、品種改良された園芸種には寒さに強い品種もあり、公園樹や庭木として利用されています。

サザンカ(山茶花)

サザンカは下段公園の主園路から森林生態観察ゾーンへ向かう園路の入口にあります。
日本の固有種で、名は山茶花:サンサカが訛ったものといわれています。野生種は花弁が5枚の白花なので、道保川公園のサザンカは園芸種です。

カンツバキ(寒椿)

カンツバキはサザンカとヤブツバキの交雑種(雑種)で、枝が横方向に伸びるので樹高が高くならず、1m程度の低木です。
下段公園の主園路沿い(林間広場入口、四の橋左岸側など)に植栽されています。
花が一斉に咲くサザンカに比べ、次々と咲き、長い間楽しめます。

ヤブツバキ(藪椿)

ヤブツバキは高さ5~6mになる小高木です。葉が厚く光沢があるので”厚葉木””艶葉木”が名の由来となっているようです(他にもいろいろな説があります)。
花が少ない冬に咲く植物なので、古くから品種改良され、中国・ヨーロッパ・アメリカでも多くの園芸品種がつくられてきました。
道保川公園では下段公園の園路沿いに何か所か植えられています。
年が明けてサザンカの花が終わる頃に咲き始めます(下の写真は昨年2月に撮影したものです)。

上段広場ではツバキの一品種である白花のワビスケ(侘助)が12月中旬頃から花を咲かせています。
他のツバキ科に比べ、小ぶりの花が愛らしい品種です。

この他に、新芽がお茶として利用されるチャノキもツバキ科の樹木です。11月下旬から12月中旬頃に開花しますが、今年は例年に比べ花付きが良かったようです。
もう花は終わっていますが、上段広場、森林生態観察ゾーン、中央階段脇に植えられています。

最後にサザンカ、カンツバキとヤブツバキの簡単な見分け方を・・・
サザンカとカンツバキは花弁をはらはらと1枚ずつ落とし、ヤブツバキの花は1輪ごとぽとりと落ちます。
また、サザンカとカンツバキの蕾(写真左)は葉の上側に、ヤブツバキの蕾(写真右)は葉の裏側に隠れるようについています。

道保川公園の開園時間は2月まで午前8時から午後4時です。

新春の穏やかな日和をぜひ道保川公園でお過ごしください。

道保川いきもの通信 その13

こんにちは、立冬も過ぎて紅葉が進んできた道保川公園です!

今回は初冬のいきもの観察には欠かせない植物をご紹介します。

オオハナワラビ

オオハナワラビはハナヤスリ科ハナワラビ属の冬緑性のシダ植物です。
道保川公園では三の橋付近の公道側や森林生態観察ゾーンなどで観察できます。

丘陵や山地の林内でよく見られ、夏の終わりに光合成をおこなう栄養葉をつける茎が伸び、冬が近づくと胞子葉をつける茎が伸びてきます。
胞子葉に付く胞子嚢が熟した黄色の小さな粒々が、花が咲いているように見えるので”花蕨”の名がついたそうです。
胞子葉の高さは約20~30cmであまり目立ちません。園路のすぐそばの落ち葉が積もった場所に生えていますので近寄って観察してみてください。

 

昨年はオオハナワラビとよく似たフユノハナワラビも公園内で見かけたのですが、今年はまだ確認できていません。

オオハナワラビとフユノハナワラビは葉の形で見分けられます。
栄養葉の先がとがり縁のギザギザ(鋸歯)が鋭いのがオオハナワラビです。

フユノハナワラビは鋸歯があまり鋭くなく、色も淡い感じです。

朝夕は冷え込んできました。日中でも木陰は寒く感じます。
暖かい恰好で冬の生きものを探してみてください。

今回も、道保川公園ならではのいきもの通信でした!

道保川いきもの通信🐛その11

こんにちは、道保川公園です!
今回はチョウの幼虫をご紹介します。

アゲハの幼虫

下の写真はカラスザンショウの木を撮ったものです。
さて、チョウの幼虫は何匹写っているでしょうか?

答えは2匹? いえ3匹です。
右と左に伸びた枝にそれぞれ1匹づつ、緑色の幼虫を見つけられると思います。
3匹目は・・・
左下の葉っぱの上の黒いもの、これも同じアゲハ(ナミアゲハ)の幼虫なのです。

アゲハの幼虫は、卵から孵化した一齢幼虫から四齢幼虫までは、全体的に黒くて所々に白色が混ざる体色をしています。これは鳥の糞に擬態して身を守っていると考えられています。

サナギになる前の5齢幼虫は緑色のイモムシです。上の写真は5齢幼虫になった直後のようで、脱皮殻が横に残っています。

アゲハの幼虫の食草はミカン科の植物で、カラスザンショウもミカン科です。写真にも写っていますが鋭いトゲがたくさんあるので、アゲハの幼虫を観察するときは気をつけてください。