公園だより

公園スタッフから、⽇々のできごとやお花の情報などを発信しています。

道保川いきもの通信🌼その18

今回の道保川いきもの通信は、この時期に水辺で見られる植物を紹介します。

ミゾソバ

小川沿いに生えているのがミゾソバ(溝蕎麦)です。
タデ科イヌタデ属の一年草の在来種で、花期は7月~10月です。道保川公園では9月下旬頃から花が目立ち始めます。湿ったところを好み、小川沿いに繁茂していた外来種や植えられていたセキショウの一部を取り除いたところ、今では優占種となっています。
一の橋付近から丸崎出入口の小川沿いのいたるところで見られます。

葉は基部が張り出して牛の顔のような形をしていることから、別名ウシノヒタイといわれます。

小さな花は近寄ってみるとこんなかたちをしています。透明感のある白~ピンクのグラデーションがとてもきれいです。

タカサブロウ

タカサブロウ(高三郎)はキク科タカサブロウ属の一年草です。
世界の暖帯から熱帯地域に広く分布しており、日本では本州以南に生育しています。
名前の由来は、高三郎という人が茎の汁を使って字を書いたから、という説などがありますが、はっきりとはわからないようです。

花は外周の白い舌状花と、内側のうすい黄色の筒状花の二種類でできています。
花の径は1cmくらいで、草丈も10cmほどなので目立ちません。一の橋上流の木道から観察できますので探してみてください。

道保川いきもの通信🌼その17

今回の道保川いきもの通信は、たくさんあって花が咲いている期間も長いのに、あまり目にとまらない草花です。

キツネノマゴ

この時期、園内のいたるところに生えているのがキツネノマゴです。
キツネノマゴ科キツネノマゴ属の一年草で、やや湿ったところを好みます。
北海道を除く日本全土に分布する在来種です。

道保川公園では園路際や小川沿いの草地などで大小さまざまな群落がみられます。
いちばん大きな群落は、三の橋の下流側の草地で、草丈が30~40cmで道端のものよりかなり大きくなっています。茎の先に円錐形の花穂をつけますが、薄桃色の花は一斉に咲くのではなく、5mmほどの小さな花が2~3個づつ次々と開くので目立ちません。

人間には目立たなくても、花の蜜を好む昆虫たちにはごちそうの森のように見えているようです。
キツネノマゴの花は小さくても昆虫を誘う蜜標と呼ばれる模様があり、チョウやハチがたくさん飛び回っています。少し遠目で観察しただけでも、モンシロチョウ、キタキチョウ、ツマグロヒョウモン、ヤマトシジミ、セセリチョウの仲間、マルハナバチかクマバチのような丸っこいハチやミツバチもみられました。

PS.
道保川公園から2㎞ほど離れたところにある横山公園ではセイヨウミツバチを飼育しています。
キツネノマゴの蜜を集めていたミツバチは横山公園のミツバチーーみっちゃんとはっちゃん(横山公園のホームページをご覧ください)かもしれませんね。この時期の横山ハニーには道保川公園のキツネノマゴの蜜が入っているのかも・・・

9月の中旬になり日暮れが早くなってきました。
道保川公園の開園時間は10月から午前8時~午後5時に変わります。
駐車場も同じです。ご注意くださいますようお願いいたします。

道保川いきもの通信🌱🦋🦎🌸

道保川公園では年4回、生物調査を行っています。
4月に行った春の調査に続き、7月に夏の調査を実施しました。

夏の調査ではどんないきものが見つかったでしょうか??
専門家のコメントや写真を抜粋してご紹介します!

■植物■ 小川沿いでは外来種の除草作業の効果あり! 草地はもう一息・・・

細流の橋の下や双子沢などでは、薄暗い湿地を好むミゾホオズキが多く開花していた。また、明るい湿潤土壌を好むノカンゾウやカントウヨメナも確認された。林床では、キツネノカミソリやアキノタムラソウ、ヤマユリといった夏期に見頃を迎える草本類が確認された。マヤラン(環境省:VU/絶滅危惧Ⅱ類)の確認地点も増加した。
細流沿いでは外来種の除草が進み、オランダガラシ、ノハカタカラクサ、メリケンガヤツリ等は減少傾向にある。一方、陸部ではワルナスビやアメリカオニアザミが目立ってきているため、今後も継続的な対策が必要と考えられる。

■動物■ クワガタ類が多く発生、オニヤンマの羽化殻も複数発見

林内のあちこちでノコギリクワガタの死骸が目立っていた。その大部分がカラスによって捕食されたもののようである。今回初記録としてスジクワガタを確認した。園内はクワガタ類が多く発生しているようである。4月調査時に流れのなかった細流に水が戻っていた。
水生動植物観察ゾーンでは、オニヤンマの羽化殻を数個体分確認した。また、今年生まれの個体と思われる3cmほどのアズマヒキガエルの幼体や二ホンヤモリも確認できた。山野草観察ゾーンではハグロトンボが見られた。
林内のやや暗い場所ではササキリの幼虫や、日陰を好むスジグロシロチョウを確認した。林床ではオカメコオロギ類と思われる幼虫がよく跳ねていた。
上段広場のエゴノキで、エゴヒゲナガゾウムシの産卵痕がついた実やエゴツルクビオトシブミの揺籃のついた葉を確認した。また、スズメの卵殻も確認した。

調査に同行したスタッフの感想です

ニイニゼミの羽化殻です。
ニイニゼミが泣き始めると、夏の訪れを感じさせてくれます。これからアブラゼミ、ミンミンゼミやヒグラシなどのセミの羽化殻がたくさん見つかると思います。

羽化殻が見つかったオニヤンマは日本最大級のトンボで、体長は大きいもので10センチにもなるそうです。スズメバチの天敵といわれています。
羽化殻は水辺から数メートル離れた木の幹で見つけました。ずいぶん遠くまで移動するものですね。

樹木が穴だらけで樹液がでていました。カミキリムシの幼虫が食べた跡のようです。
このような樹木は、緑の葉がたくさんついていても、倒木の恐れがありますので注意が必要です。

たくさんの生きものたちがこれからも見られるように、生物調査の結果や専門家のご意見をもとに、道保川公園の維持管理作業をおこなっています。

Byline: commissioned specialists and H・N・I

道保川いきもの通信🌸その16

今回の道保川いきもの通信は、夏を代表するユリの花、3種です。

オニユリ、コオニユリ

オニユリ、コオニユリは夏の青空に映える鮮やかなオレンジ色が美しいユリです。
道保川公園では水鳥の池の中の島に植えられています。

オニユリは、一説には中国原産で古い時代に渡来し栽培・野生化したといわれており、現在では北海道から九州まで各地でみられるユリです。
オレンジ色に黒い斑点のある大きな花を多数つけ、力強いイメージ「赤鬼」から”鬼百合”の名がついたようです。

下の写真はコオニユリで、オニユリと見分けがつかないほどよく似ています。
遠目では区別できませんが、並べて比べると少し小ぶりなのがわかります。なので”小鬼百合”と名付けられました。

よく似たオニユリとコオニユリですが、はっきりと区別できるのがむかご(珠芽)の有無です。
オニユリは葉の付け根に黒紫色のむかごをつける(左の写真)のに対し、コオニユリにはありません(右)。

ヤマユリ

ヤマユリは神奈川県の県花で、他にも多くの市町村が自治体の花として指定しています。
道保川公園では林間広場でみられるのですが、残念ながら現在は倒木や落下枝の危険があるため立入禁止となっています。

日本特産(固有種)のユリで、大型の白い豪華な花が林床でよく目立ち、香りも強く、まさに「ユリの女王」です。

来年は近くでご覧いただけるよう、園内の整備を続けております。楽しみにお待ちいただけると幸いです。

以上、道保川公園ならではのいきもの通信をお届けしました!

道保川いきもの通信🌱🐛🐦🐍

道保川公園では年4回、生物調査を行っています。
植物と動物の専門家と一緒に参加する公園スタッフも気合が入ります。
日々の管理の成果や課題を確認し、生きもののことを学ぶ絶好の機会だからです。

私たちが道保川公園の管理をはじめて3年目。
この春の調査で分かった道保川公園の生きものの様子はいかに??
専門家のコメントや写真を抜粋してご紹介します!

■植物■ 保全管理の効果あり!やや湿潤な土壌を好む草本が増加。希少植物の増加や初観測も!

細流沿いではノハカタカラクサ等の除草によりサギゴケ、ヤブタビラコ、ツボスミレ等のやや湿潤な土壌を好む草本が昨年度より多く出現していた。
上流の路傍においても除草の成果がみられ、キツネアザミやギシギシ類が増加した。林内ではキンラン(国RL、県RL:NT)の蕾および開花を確認したほか、早春の花であるカタクリの葉も昨年より増加していた。
そのほか、シュンラン、ミツバツチグリ、ヤブレガサ等を初記録している。

■動物■ トンボ類の羽化が盛ん!細流の一部では水枯れが心配だが、アズマヒキガエルも無事孵化。

水生動植物観察ゾーンにおいては、ニホンカワトンボ、ヤマサナエといったトンボ類の羽化が盛んであり、シャクガ科等ガ類の幼虫も活発であった。
細流の一部では流れがなくなっており、河床部分にホンドタヌキの溜め糞と思われるものが見られた。
こもれびの沢ではアズマヒキガエルの幼生が見られた。
そのほか、ニホンヤモリ、ニホンカナヘビ、ヒガシニホントカゲも確認できた。
上段広場、管理事務所付近においてアオダイショウの幼蛇も確認している。
上段広場では、元々石垣島・西表島に生息するはずのヒラタトガリカメムシも確認、関東地方への侵入のきざしかもしれない。
林内ではアオゲラが盛んに鳴いていた。夕方ちかくには、池で鳴きかわす2羽のカワセミを確認している。

いかがでしたか?

生きものを発見できた時の感動は、込みあがるものがあります。
その感動を共有できる仲間がいるのも、とてもうれしい。

未だ見ぬ生きものたちは果たしているのだろうか?

あるいは、気付かないうちにどこかで会っているのかもしれない。

私たちが管理している道保川公園は、無限大の可能性を秘めた素敵な場所だと思うし、
維持管理していることを、誇りに思っています。

Byline: commissioned specialists and K・N・H・M・I