道保川いきもの通信🌸その14

こんにちは、冬の寒さがきびしくなってきました。道保川公園です!
今回は冬の公園を彩るツバキ科の常緑広葉樹をご紹介します。
冬に花を咲かせるので寒さに強いイメージがありますが、ツバキ科の植物は熱帯から亜熱帯に自生しており、ヤブツバキやサザンカなどは温帯に適応した珍しい種なのだそうです。日本では四国や九州といった暖かい地域が自生地として北限ですが、品種改良された園芸種には寒さに強い品種もあり、公園樹や庭木として利用されています。
サザンカ(山茶花)
サザンカは下段公園の主園路から森林生態観察ゾーンへ向かう園路の入口にあります。
日本の固有種で、名は山茶花:サンサカが訛ったものといわれています。野生種は花弁が5枚の白花なので、道保川公園のサザンカは園芸種です。


カンツバキ(寒椿)
カンツバキはサザンカとヤブツバキの交雑種(雑種)で、枝が横方向に伸びるので樹高が高くならず、1m程度の低木です。
下段公園の主園路沿い(林間広場入口、四の橋左岸側など)に植栽されています。
花が一斉に咲くサザンカに比べ、次々と咲き、長い間楽しめます。


ヤブツバキ(藪椿)
ヤブツバキは高さ5~6mになる小高木です。葉が厚く光沢があるので”厚葉木””艶葉木”が名の由来となっているようです(他にもいろいろな説があります)。
花が少ない冬に咲く植物なので、古くから品種改良され、中国・ヨーロッパ・アメリカでも多くの園芸品種がつくられてきました。
道保川公園では下段公園の園路沿いに何か所か植えられています。
年が明けてサザンカの花が終わる頃に咲き始めます(下の写真は昨年2月に撮影したものです)。

上段広場ではツバキの一品種である白花のワビスケ(侘助)が12月中旬頃から花を咲かせています。
他のツバキ科に比べ、小ぶりの花が愛らしい品種です。

この他に、新芽がお茶として利用されるチャノキもツバキ科の樹木です。11月下旬から12月中旬頃に開花しますが、今年は例年に比べ花付きが良かったようです。
もう花は終わっていますが、上段広場、森林生態観察ゾーン、中央階段脇に植えられています。

最後にサザンカ、カンツバキとヤブツバキの簡単な見分け方を・・・
サザンカとカンツバキは花弁をはらはらと1枚ずつ落とし、ヤブツバキの花は1輪ごとぽとりと落ちます。
また、サザンカとカンツバキの蕾(写真左)は葉の上側に、ヤブツバキの蕾(写真右)は葉の裏側に隠れるようについています。

道保川公園の開園時間は2月まで午前8時から午後4時です。
新春の穏やかな日和をぜひ道保川公園でお過ごしください。
道保川いきもの通信 その13

こんにちは、立冬も過ぎて紅葉が進んできた道保川公園です!
今回は初冬のいきもの観察には欠かせない植物をご紹介します。
オオハナワラビ
オオハナワラビはハナヤスリ科ハナワラビ属の冬緑性のシダ植物です。
道保川公園では三の橋付近の公道側や森林生態観察ゾーンなどで観察できます。
丘陵や山地の林内でよく見られ、夏の終わりに光合成をおこなう栄養葉をつける茎が伸び、冬が近づくと胞子葉をつける茎が伸びてきます。
胞子葉に付く胞子嚢が熟した黄色の小さな粒々が、花が咲いているように見えるので”花蕨”の名がついたそうです。
胞子葉の高さは約20~30cmであまり目立ちません。園路のすぐそばの落ち葉が積もった場所に生えていますので近寄って観察してみてください。

昨年はオオハナワラビとよく似たフユノハナワラビも公園内で見かけたのですが、今年はまだ確認できていません。
オオハナワラビとフユノハナワラビは葉の形で見分けられます。
栄養葉の先がとがり縁のギザギザ(鋸歯)が鋭いのがオオハナワラビです。

フユノハナワラビは鋸歯があまり鋭くなく、色も淡い感じです。

朝夕は冷え込んできました。日中でも木陰は寒く感じます。
暖かい恰好で冬の生きものを探してみてください。
今回も、道保川公園ならではのいきもの通信でした!
道保川いきもの通信🐛その11

こんにちは、道保川公園です!
今回はチョウの幼虫をご紹介します。
アゲハの幼虫
下の写真はカラスザンショウの木を撮ったものです。
さて、チョウの幼虫は何匹写っているでしょうか?

答えは2匹? いえ3匹です。
右と左に伸びた枝にそれぞれ1匹づつ、緑色の幼虫を見つけられると思います。
3匹目は・・・
左下の葉っぱの上の黒いもの、これも同じアゲハ(ナミアゲハ)の幼虫なのです。

アゲハの幼虫は、卵から孵化した一齢幼虫から四齢幼虫までは、全体的に黒くて所々に白色が混ざる体色をしています。これは鳥の糞に擬態して身を守っていると考えられています。

サナギになる前の5齢幼虫は緑色のイモムシです。上の写真は5齢幼虫になった直後のようで、脱皮殻が横に残っています。
アゲハの幼虫の食草はミカン科の植物で、カラスザンショウもミカン科です。写真にも写っていますが鋭いトゲがたくさんあるので、アゲハの幼虫を観察するときは気をつけてください。
道保川いきもの通信🌸その10

こんにちは、道保川公園です!
やっと秋の空がやってきましたね。
公園にも秋に見られる植物がみられるようになってきました。
ヒガンバナ
ヒガンバナは漢字で書くと「彼岸花」。その名のとおり彼岸の頃に鮮やかな赤い花が咲く、秋の訪れを感じさせる多年草です。
道保川公園では上段公園の西側、中央階段の上り口や丸崎口などで見られます。
ヒガンバナは中国大陸が原産ですが、とても古い時代に日本に持ち込まれたそうです。
湿った場所を好み、川沿いの土手や田畑などに群生し、里山の秋の風景を彩る植物として各地に名所があります。
別名のマンジュシャゲ(曼殊沙華)のほか、全国でいろいろな名前で呼ばれており、数百から千種以上あるといわれています。
ヒガンバナは有毒植物であり、また、モグラやネズミや虫の害を防ぐため田畑のほかに墓地にも植えられることから、不吉な別名が多いようです。
赤い花弁がうねり、長い雄しべが大きく反り返る独特な形状が、この世のものではない妖しさを感じさせるからなのかもしれません。


道保川いきもの通信🌸その9

こんにちは、道保川公園です!
毎日とんでもなく暑い日が続いています。
熱中症にならないように体調にお気をつけください。
キツネノカミソリ
道保川公園では森林生態観察ゾーン、山野草観察ゾーンや林間広場下の林縁が自生地です。
他の野草があまり咲いていない暑い時期に茎を伸ばし、オレンジ色の鮮やかな花を数個咲かせます。園路に近い場所なので近寄って観察できます。
キツネノカミソリはヒガンバナの仲間です。ヒガンバナと同じく、花が咲いているときには葉がありません。早春のまだ他の植物が芽を出さないうちに葉を出して養分を蓄え、多くの植物が生い茂る頃には葉を落としてしまいます。
無駄な競争をしないで生き延びていく知恵なのでしょうね。

カラスウリの実
公園の維持管理をするうえで、つる植物はちょっと厄介な存在です。
生垣や花木の低木に巻き付いたり、ときには覆ってしまうことも。
カラスウリの名前の由来のひとつに、葉が大きく絡みついた木を枯らしてしまう瓜→枯らす瓜、というのがあるそうです。
木が枯れてしまわないよう、取り除くのが一般的な管理方法ですが、生物多様性の観点から支障がない場所では残しておく公園も多いのではないでしょうか。
カラスウリの実は、この時期はまだ緑色で縞模様があります。これから秋に向かって朱色や赤色に熟し、葉や茎が枯れたあともぶらさがって晩秋から初冬の景色を演出するようになります。
カラスウリの花については、いきもの通信その6(2024年9月9日)でご紹介しています。ご参照ください。
今回も、道保川公園ならではの公園だよりをおとどけしました。
